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映画

映画「椿三十郎」

1962年に封切りして今もって好評の黒澤明映画不朽の名作「椿三十郎」をリメイクした作品です。

1962年1月1日に封切りされたこの作品。ほぼ44年ぶりに作る現代版「椿三十郎」です。

解説:とある社殿の中で井坂伊織(松山ケンイチ)をはじめ、9人の若侍たちが上役である次席家老黒藤(小林稔侍)らの汚職について密談していると、椿三十郎(織田裕二)という浪人が現れる。密談を盗み聞きしていた三十郎は陰謀の黒幕を見抜き、室戸半兵衛(豊川悦司)率いる悪者の手先から若侍たちを逃がす。(シネマトゥデイより抜粋)

(2007年/日本 119分 (2007.12.01 日本公開))

(以下、ネタバレあります。)

一部で黒澤オタと言われる私のため、映画を平等に見るため黒澤版を見たことがない友人にもついてきてもらい見てきました。

(ただ、黒澤で特に好きな作品は「赤ひげ」「用心棒」「まあだだよ」の人なので毛色は違うかも)

脚本は黒澤版「椿三十郎」をそのまま流用し、セリフとか前作とほぼ一緒?

(映像では黒澤版では引き、今回の森田版ではアップがある程度。)

もしかすると前作の完成度が高かったせいで、迂闊に大胆にリメイクする事ができなかったのかもしれません。

しかし、上映時間が黒澤版と比べて23分長い119分ということで、殺陣に時間をかけたのかなと。

黒澤版では三船氏が椿三十郎役をしていたわけですが、9人の若侍にとってあの人が”父親”とするならば、森田版では”兄貴”といったイメージでしょうか。当時三船は42歳、今回の主役織田は40歳。2歳しか違いませんが、イメージがここまで違うということで、これが新解釈ととるか難しいところです。

睦田夫人に「あなたは抜き身みたいな人ですね」といわれるシーンがありますが、三船は表現ぴったりですが、織田は抜き身ではなくでも鞘に入った刀でもない、難しい位置だと思います。

黒澤版ではラストの血が噴き出す三船と仲代の決闘シーンは日本映画史に残る名シーンですが、

このシーンが少し変更されていましたね。血しぶきもなかったですし。(出すとPG指定くるんでしたっけ?)

個人的にスローにするのではなく、息を呑むまままENDにして欲しかった。

全体を見ると、北野武版座頭市みたく大胆にしてしまった方がよかったのかもしれません。

室戸役の豊川のアウトサイダー的な所や井坂伊織役の松山ケンイチもよかったけど、

その中でも木村(押入れ侍)役の佐々木蔵之介がすごくよかった(笑)

前に出すぎず、きちんと笑いをとりつつ飄々とした人物に仕上がってたと思います。

#馬面=藤田まことというのにも(笑)でしたが、

#藤田まことが出てきた時点で、玉緒さんが「婿殿?」といつ言い出すか期待してた人(作品違)

黒澤版を知らない人は面白いかもしれません。

しかし、そのあとでオリジナル=黒澤版にも触れてみて欲しいと思います。

ある意味、黒澤明作品を若い人に教える導入部の作品になるでしょう。

黒澤版を知っている人は賛否両方あると思いますが、”現代”版ということを念頭におきましょう。

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管理人:ひろな
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ひろなです。
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