映画 「ワールド・トレード・センター」
2001.9.11。現地時間午前8時40分過ぎ。
日本では「ニュース・ステーション」(テレビ朝日系列(当時))で久米 宏キャスターが生放送で2機目の飛行機が突っ込んだ現場を伝えていたが、何が起きたのか、と混乱していたのも、まだ記憶に残っている人もいると思います。
あの米同時多発テロ、世界貿易センター2棟の中の出来事で、18・19番目の救出者となった港湾警察2名の生還を待ち続ける家族の希望を描いた「ワールド・トレード・センター」見てきました。
(2006年/米国 129分(2006.10.07日本公開)/PG13指定)
(以下、ネタバレあります。)
「ワールド・トレード・センター(以下、WTC)」に先駆けて、ハイジャックされて突っ込まれた飛行機側から見た「ユナイテッド93」が上映されましたが、こちらは生存者や目撃者0の中、通信記録、乗客が残したメモ、携帯の会話などから推測をして、有名でなくとも故人によく似た俳優さんを採用したり、できるだけ忠実に映画化されたということですが、WTCは実際生き残った人、CNNなどの映像記録などで内部からのドキュメンタリとして上映されてます。
残念ながら「ユナイテッド93」は未鑑賞なので比較はできないんですが。
しかしよく見ると、この映画は「テロに関しては」一切描かれていないという特徴が。
テーマは「勇気」と「家族愛」。
ニコラス・ケイジ演じるジョン・マクローリン巡査部長と、マイケル・ペーニャ演じる新人警官ウィル・ヒメノという実在する彼らに焦点を当て、彼らの生還を待ち続ける家族、そしてその周りの人々を書いたあくまで「ヒューマン・ドラマ」です。
しかし、リアルを追求するということで、ほとんどの物が本物を使用(警察の制服にいたるまで)するというこだわりは脱帽。初めてポートオーソリティのバスターミナルの撮影が許可されたり、港湾局が全面バックアップ。日本ではぜったいありえません。
(日本の最近の作品だと「海猿」が海上保安庁の協力を得たりしてましたが。
日本作品でのバックアップあり映画の一番はこれですかね)
さらに、実際現場で救助に当たった現役の警察官や消防士50人以上がエキストラでいたとか。
途中から、瓦礫で動けなくなった彼らは声と表情だけの迫真の演技です。
彼らの演技力がなければ、この映画は成り立たなかっただろうなと。
「班長、あなたとはそんなに親しくなかったけど、でも愛しています!」
6m上から注ぐ光を見つつ、お互いに励ましあい、家族を思い、そろって生還を誓い合う。
その中で元・海兵隊のカーンズ軍曹らが彼らを見つけ、ほかの部隊と連絡を無事つけたときのくだりで
「ファーストネームは?」
「軍曹」
このくだりには張り詰めた空気をちょっとだけ出すスパイスが(笑)
連絡を受け、ジョンとウィルが埋まってる6mもの瓦礫の下に助けにいく自分たちも危険なのを承知で、
「万が一のときは家族に”愛している”と伝えてくれ」と言い残して
瓦礫の下へ次々と入っていく姿は見ていてすごかったです。
そういや、あとでこれを見た友人と一部意見がわかれたんですが、
2度目の崩落で命を落としたドミニクが死ぬ間際に銃を撃つシーンですが、
あれは死ぬ間際に音で「ここに人がいるぞ」と知らせるために空を撃ったのか、もう駄目だと自殺したのか。
撃った瞬間、画面が暗転してるからどっちなんだろうなと。
「社会派」オリバー・ストーン監督がこの事件を料理するとこうなった。
ただの「お涙ちょうだい的映画」ではやっぱりない。
実際に起きた事件をスパイスとして演技した俳優人の演技力、やっぱりすごい。
この映画は既婚・未婚、そして男と女でとらえる観点が違うだろうと思う。
特に既婚側からだとかなりの感銘うけるだろうなとも。
まぁ、私は未婚女だけど、きっとDVDも買うだろうな、と。
生きてるうちに、実際に現場になったグラウンド・ゼロを訪れてみたいと思います。
そういえば、リアルのジョンさんは無事自宅の台所を完成させたのでしょうか。
Warning: Trying to access array offset on false in /home/c4374731/public_html/windgauge.site/wp-content/themes/jinr/include/shortcode.php on line 306